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消えた1フレーム


オフライン編集をした後でデータを取るとき

 in点は見えているタイムコードをそのまま書く、
 out点は見えているタイムコードに1フレーム足して書く


というのを知っていますか?
おそらく「初めて聞いた」と言う人も多いと思います。これはいったいどういう事でしょうか?

たとえば、下のような編集をしました。


真ん中の路面電車のカットを数えてみましょう。

5フレームありますね。では見えているタイムコードのin点とout点のデータを書き込みます。

in 00:00:00;08  out 00:00:00;12 引き算をしてデュレーションを確認すると
・・・あれ? なぜか引き算をすると4フレームになってしまいます。1フレームが消えてしまいました。
 このような事になるのでカットのout点に見えているタイムコードにプラス1フレームしてデータを作成しましょう。データを機械で自動的に読み取るものは全てこのようになっています。

 番組ビデオパッケージ(以後 VP)企業内ビデオなどの制作ををやっている方にはこの状況はあまり影響が出ないため、ベテランの方でも知らない人が多いと思います。なぜこれらの作品では影響が出ないのでしょうか?

 それは、日本ではオフライン編集のデータ通りにオンライン編集をすることがまずあり得ないからです。「あとはオンラインでやればいい」と、最終的な時間の調整をオンライン編集時に行っているため そちらの調整の方が大きな誤差なので、この1フレームの誤差は吸収されて消えてしまいます。
 また、VPや企業内ビデオの場合は全体で数秒違ったとしても問題はない事が多いからです。

 CMやVPの中でも音楽作品をやっている方はこの事を知っているかもしれませんね。CMの場合15秒の中に10カット以上編集する事も珍しくありません。また、かなり微妙なタイミングまで編集することが多いので、そうなると15秒の中の10フレーム以上長さが変わってしまいます。これは大きな問題です。
 音楽PVなどの作品の場合、編集一回につき1フレームずれると音と映像のタイミングがどんどん合わなくなります。これも大きな問題です。したがって無視するわけにはいきません。
 そのためこの問題を知っている人も多いと思われます。


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とりあえずここまででも良いのですが、もう少し詳しく知りたい人はこの先もどうぞ

 フィルムの編集の場合見えているコマを指定するのが習慣になっています。その理由は簡単に言うと『作業が手作業』だったからです。「このコマからこのコマまで使って・・・」と人間が作業するにはこちらの方がわかりやすいからです。
 ビデオの場合は最初から編集機が計算して作業をおこなう事を前提としているので見えているフレームだけ書いたのでは計算が合いません。そこでビデオの場合は少し考え方を変えることで分かりやすくなると思います。まず下の図を見てください。


 タイムコードはそのフレームの画像を指すのではなく、フレームの変わり目の数字である。そう考えると分かりやすくないですか?そこで編集のOUTポイントには見えているフレームのタイムコードにプラス1フレームをしなくてはならないのです。



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