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クロマキーについて

代表的なクロマキーの例

 ●スケジュールや予算の関係で実際にロケに行けない場所を背景にしたい
 ●実際に撮影するにはあまりにも危険なため(ビルから飛び降りる等)
 ●CG等の実際にはあり得ない場所での背景(1000年後の街並み等)


 この3番目の例に入るでしょうか、最近よく見かけるのは『バーチャルスタジオ』がありますね。セットがほとんど無く(たぶんイスとテーブル程度?)ブルーバックで司会者やゲストが番組の進行をする方法です。この場合単純なクロマキーではなくカメラとコンピュータで連動したCGリアルタイムで背景を作成するため、実際のセットの中にいるように撮影されます。さらにデータの表やグラフが空中に現れることもありますね。
バーチャルスタジオのメリットはどんなセットでも瞬時に変えることができることです。また何種類のセットでも用意できるためスタジオセット代が節約できるでしょう・・・どの程度かは計算したことはありませんので詳しい方に聞いてください。

なぜクロマキーはブルーバックなのか?

 クロマキーと言えば『ブルーバック』が定番ですが、なぜブルーなのでしょうか?ブルーでなければいけないのでしょうか?
 その理由は人間の肌色にあります。人間の肌色は信号的に見ると、薄いオレンジ色から薄い赤色なのです。クロマキーで合成する多くの場合その対象は人間です。したがって、切り抜き信号(キー信号)を作るためには補色に近い『ブルーバック』が適しているのです。最近は『グリーンバック』を使用することも多いようです。つまり、クロマキーに使用する色は『条件次第でブルーである必要はない』のです。つまり切り抜きたい画像からなるべく『補色に近い色』を使用する事が重要です。


 中心が白または黒(無彩色)。中心から離れるほど色が濃い。そして無彩色を中心として反対側になるのが『補色』です。青からシアンの青色系は肌色のほぼ補色です


 青い物をクロマキーで撮影するにブルーバックを使用してはいけません!以前、青い本をブルーバックで撮影してきて「青と言っても 少し違う青だから大丈夫だよね。」と言っていたディレクターの方がいましたが・・・・努力はしますが保証はしません ハイ。
 別な色にして撮影しましょう。料理を作るのに「塩がなかったから砂糖を使った。」と言うのは変ですよね?衣服の場合、変更できるものは変更するか、別な色のバックを用意しましょう。


これはダメ


影も付くクロマキー

   

 照明や物の色、バックの色などを気をつけて撮った素材は影も付けることができ、自然な映像になります。しかし、その代償としてクロマキバック(ブルーの部分)のしわや色むらも出やすくなります。撮影が難しいです。
 ただし、このような撮影の時には必ずVEさんや照明さんが居ると思われますので おまかせで良いと思います。問題はVEさんや照明さんが付かないで、演出の方々だけで撮る場合でしょう。そういう場合のポイントを紹介します。(本当はビデオエンジニアさんに付いて貰いたいのですが・・・)


本などをブルーバックで撮影する場合の注意点

次の3つの項目で可能なことを行ってください。全部やってもらえれば更に良いです。
1.ホワイトバランスを取る。
2.照明はかならず使う事、できれば2灯以上使って影を消す。
3.カメラのアイリスをマニュアルにして画面が白飛びしない程度に明る目にする。

  

白い本を撮影する場合、青い紙(布)の色が反射して本も青くなってしまう場合がある。影を出にくくするために、ガラスの上に置いて撮影する方法もあります。ガラスとブルーバックに空間があるため、青い色が白い本に映り込みにくいのです。
 ただし、この場合ガラスに照明が映り込まないように注意すること。
ここまでするには専門の人が必要かも知れませんね。


ガラスの上に乗せる

静止画を合成する場合にはブルーバックよりも黒・白・グレーの色のないバックにして撮影した物をフォトショップなどに取り込み、マスクを作った方が綺麗に抜けるでしょう。詳しくは後日『外部キー』で説明します。

  
フォトショップでマスクを作成して合成



直線上に配置