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画像の圧縮とは?


 画像を圧縮すると言うことはどういう事なのでしょうか?MPEGって何でしょうか?なぜ画像の圧縮が必要なのでしょうか?



数字を覚える必要はありません「こんなに違うんだ」というための比較で見てください

通常のテレビの
非圧縮
ハイビジョンの
非圧縮
画素数 約34万画素 約207万画素
再生レート 約160Mbps 約995Mbps
そのままDVDにデータを保存
(片面4.7GB)
約4分 約40秒
どちらもYUV4:2:2 8bitで計算

 圧縮しないと表現できる色数が約1600万色とすると、通常のテレビの場合ですらDVD(片面4.7GB)であっても約4分しか記録できません。おなじく非圧縮のハイビジョンならばDVDでも約40秒しか記録することが出来ないのです。
 またインターネットでの番組配信を考えた場合、最近は光ケーブルでの100Mbpsと言う高速な伝送速度ですが・・・通常のテレビの場合でも数値の基準を合わせると非圧縮だと160Mbpsになってしまいます。光ケーブルの実行速度は条件によっては20〜90Mbpsと、かなり幅がありますが、最高の条件だったとしても非圧縮ではリアルタイムで送ることが出来ません
 非圧縮のままでは保存するためにも、視聴するために伝送するためにもデータ量が多すぎて現実的には無理なのです。そこでデータを小さくするために圧縮する必要があります。



 画像(データ)の圧縮とはある一定の法則(アルゴリズムと言います)によりデータを簡略化する事です。
 上の二枚の写真は普通のサイズで見るとそれほど違いがありませんが、拡大してみると一目瞭然で圧縮した方が画質が悪いことが分かります。圧縮を高くすればするほどデータは小さくなりますが、画質も劣化します。
 このように1フレーム単位で圧縮しているものには、デジタルベータカム・DVCAM・DV・ノンリニア編集 等があります。

 1フレーム(1枚)の画像では高画質を保ったまま圧縮するのは高圧縮するのは難しいのです。そこで次のような事が考えられました。



 動画なので時間と共に映像が変化するのですが、AとBを比較するとBはあまり画像に変化がありません。そこで・・・・
 変化があまりない→ほぼ同じデータを毎フレーム使っている→データを圧縮できる
「変わりがないんだったら前のフレームと同じってことにすれば省略できてデータも小さくなるのでは?」(実際はそれほど単純ではありませんが・・・(笑)) そんな考えでできた規格が『MPEG』です。

『MPEG』は画像1フレームだけの圧縮ではなく、
前後の数フレームもチェックして圧縮している。

圧縮した場合のデータ
通常のテレビの
非圧縮
通常のテレビを
DV圧縮
通常のテレビを
DVD(MPEG)圧縮
ハイビジョンの
非圧縮
画素数 約34万画素 約34万画素 約34万画素 約207万画素
再生レート 約160Mbps 約25Mbps 10〜2Mbps 約995Mbps
DVDに保存
(片面4.7GB)
約4分 約20分 約60〜240分 約40秒
長所 高画質
フレーム単位で編集出来る
データが小さい
フレーム単位で編集出来る
データがかなり小さい
目的により圧縮率を指定
超高画質
フレーム単位で編集できる
短所 データが大きい 大幅な圧縮ではない
赤色に弱い
フレーム単位の編集が難しい
ブロックノイズが出やすい
データがかなり大きい

 MPEGは圧縮率が高い割に見た目の画質も良いので、DVDやデジタル放送にも使われています。しかし、前後のフレームをひとつの単位(一般的には10〜15フレームと思われる)とIして圧縮しているので、数フレーム単位でしか基本的に編集できないのです。無理にそれ以外のポイントで編集した場合は再圧縮する必要があり画質は編集するたびに劣化することになります。つまりMPEGはビデオ編集には向かない形式と言えるでしょう。 また、動きの速い映像ではブロックノイズが出やすいという欠点もあります。
 しかし、圧縮率の高さは捨てがたく動画圧縮の主流となってきているのです。編集ソフトもいろいろ工夫されて各社から出てきました。『まったく画質が劣化しない』事は無理としても『極力画質を劣化させない』という事です。

『MPEG』はフレーム単位では編集できないが、最近ではソフトで工夫して可能にしている。ただし、画質は多少劣化する。

編集に向いているのはデジタルベータカムやDVC(DVCAM

MPEG圧縮は元には戻せないので注意
MPEGはできれば最終的な保存だけにした方が良い


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 ついでなので『可逆圧縮』『非可逆圧縮』について説明します。
 元のデータからデータを圧縮して、その圧縮したデータを再び元のデータに戻すことができる圧縮方法が『可逆圧縮』です。代表的なものにLHAZIPがあります。
 一度圧縮するとそのデータは元に戻すことが出来ない圧縮方法、それが『非可逆圧縮』です。代表的なものにMPEGJPEGMP3ACC等があります。
 イメージとしては可逆圧縮は『スポンジ』のような圧縮と言えます。スポンジをギュッと押しつぶして箱に入れても、箱から出せば元に戻りますね。
 非可逆圧縮のイメージは『縮小コピー』でしょう。一度縮小コピーしたものを拡大コピーしても元の画質には決してなりませんね。

しかし、「CDからMP3にしたデータから再びCDを作ることが出来るじゃないか」と反論する人もいるでしょう。この場合データとしての形式は元に戻せますが、その中身は元に戻っていません。先ほどの縮小コピーした物を再び拡大コピーすると形式上は元に戻りますが、よく見ると画質は悪くなっています。それと同じだと思ってください。ただ、MP3で持っているよりもCDにした方がより多くのプレイヤーで再生できますので、それはアリでしょう。


可逆圧縮と非可逆圧縮
   長 所    短 所 主な種類 用途
可逆圧縮 圧縮と解凍(元に戻す作業)を繰り返してもデータは変わらない。複数のファイルをひとつのファイルにまとめることが出来るので長期保存するのに便利。(『アーカイブ』と言います。) それほど圧縮率は大きくない。使う前に解凍しなくてはいけない。 LHA
ZIP
文書ファイル・
プログラム
非可逆圧縮 かなり高圧縮できるので大きなデータがコンパクトになる。データがコンパクトになるとファイルの読み込みが早い。 一度圧縮をかけると元には戻せない。圧縮率を高くするほど画質や音質が悪くなる。 MPEG 動画
JPEG 静止画
MP3
ACC
音楽




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