ドロップフレームとは
2011/04/06に一部修正文を追加 一般的なビデオカメラで撮影して、編集ソフトの設定を59.94iにして作った作品は 10分分間で実際の時間よりも0.6秒長くなってしまうのです。えっ その程度はたいしたことはないだろう? しかし、これが50分になると3秒になり 1時間40分で6秒にもなるんです。 これではTV番組を作るときに困ります。 「じゃあ時間を数えてる時 ごまかして数字を飛ばして数えればいいんだ!」と、言うことで現れたのが『ドロップフレーム』なのです。 時間が延びるのは映像のコマの数え方が遅いと言うことになります。これを図にしてみました。 |
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ひとつ訂正があります 右側に「ドロップフレーム(のんびり屋さん)」 書いてありますがドロップフレームだけではなく フレームレートが29.97ならば全てのんびり屋さんです(AVCHDや一般的なビデオカメラなど) ドロップフレームはそれを見かけ上で合っているようにしたものです |
実際にタイムコードのどこが飛んでいるのか | ||||||||||||||||||||||||
すぐ上の「実際にタイムコードのどこが飛んでいるのか」ビデオの中で 左側の画面に「実際の時間」となっていますが、これは「ノンドロップフレーム」の間違いです 申し訳ありません 「イメージ」を説明しているビデオでは合っています |
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タイムコードで数字を飛ばしている場所は下の表のように各分数が変わるところで、 それぞれ2フレームずつ飛ばしています。 |
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各分数が変わるところなのですが、9分から10分に変わるところでは数字を飛ばしません。ここも同じようにしてしまうと調整しすぎで逆に時間が短くなってしまうのです。 ドロップフレームに対して修正をまったく行わないのもを『ノンドロップフレーム』と言います。 |
ドロップフレームを使う作品 | テレビ番組 |
ノンドロップフレームを使う事が多い作品 | コマーシャル 販売ビデオ・DVD 企業内ビデオ 企業PRビデオ イベント用映像 |
このように、テレビ番組以外はほとんど全てがノンドロップフレームを使用しています。実際の時間と同じになるならばドロップフレームの方が良さそうに思えますが、実はテレビ番組以外は『実時間と同じになる必要性がない』のです。 テレビ番組は50分で3秒ズレた場合番組の最後が強制的にカットされてしまいます。しかし、販売ビデオの場合50分00秒であっても50分03秒であっても見ている人にはその誤差はストップウォッチで時間を計りながら見ているわけでは無いので、気にならない事なのです。 CMはテレビで流れていますが、作品の長さが短いために誤差が影響しません。 そしてチャプターを入れたり、合成をする場合などタイムコードが飛んでいない方が作業がやりやすいためテレビ放送以外ではノンドロップフレームが多く使われています。 |
ただし、最近はテープ編集(リニア編集)ではなくコンピュータで行う編集(ノンリニア編集)が主流で、あまりドロップ・ノンドロップを意識しなくても良くなってきているようです |
なぜ実時間とズレてしまうかと言うと、モノクロ放送時代にはテレビは毎秒30フレームでした。それがカラー放送になったとき、カラー信号を入れるために毎秒29.97フレームになってしまいました。(ちなみにこの頃にはまだ生放送かフィルムで放送していました)たかが1/1000の違いなのですがその差は時間が長くなるほど大きくなります。 |
10分間のフレーム数=30フレーム×60秒×10分=1万8000フレーム 誤差=(30フレーム−29.97フレーム)÷30フレーム=0.001 10分間に誤差で生じるフレーム数=1万8000フレーム×0.001(誤差)=18フレーム ドロップフレームにより10分間で修正されるフレーム数=2フレーム×9回=18フレーム |
10分で0.6秒(18フレーム) そして50分では3秒の誤差が出るのです。 それの修正として 10分で18フレームの誤差なので、各分数で2フレームを修正して10分に繰り上がるところは修正を行わない。 すると10分ごとに2フレームずつ9回の修正箇所になり合計で18フレーム全て修正されました。 |
さらにこんな疑問を感じている人はいませんか? 「毎分の変わり目ではなく、ほぼ均等に修正した方がもっと正しいのではないだろうか?」 疑問はもっともだと思います。しかし @ 『どこで修正しているか』がわかりにくく複雑になる。 A 毎分の変わり目で行ってもこのくらいの誤差ならば実際の運営上は問題がない。 このような理由で均等に修正する必要がないのです。 |